粒子コートカプセル
About
粒子コートカプセルとは
粉末粒子自体を被膜材で直接コーティングして被膜を施す事により、 粉末原料をそのままに近い状態でマイクロカプセル化(粒子表面処理)することです。

処理方法には、乾式コートと湿式コートの2方式があります。

  • 食塩結晶
    (コーティング前)
  • 粒子コートマイクロカプセル
    硬化油コート品
  • 食塩溶出後の
    殻カプセル
乾式コート処理

常温で固形の被覆材を加熱溶融させて原料粒子全体にコー ティング後、冷却により被膜材を固定化する処理方法。

主なコート材
食品・健康食品
[各種硬化油 (融点45°C〜68°C)]ナタネ油、大豆油等
[天然ワックス]
→キャンデリラ、カルナウバ、蜜蝋等
その他原料
[合成ワックス]
→金属石鹸、界面活性剤、PEG(水溶性)等
湿式コート処理

固形の被覆材を水・アルコール等の溶剤で溶かして原料粒子全体にコーティング後、乾燥により被膜材を固定化する処理方法。

主なコート材
食品・健康食品
[水系]
→プルラン、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、HPMC、 水性セラック
[アルコール系]
→ツェイン (コーン蛋自)、 セラック、HPC
その他原料
界面活性剤・PEG(水溶性)、PH対応コポリマー、各種樹脂(溶剤に溶解:アセトン・トルエン・塩化メチレン等)
粉末被膜コート処理

原料粒子全体をコートする微粉末で被膜化する処理方法。

主なコート材
食品・健康食品
各種澱粉・各種デキストリン・他粉末等
その他原料
シリカ・珪藻土・タルク等
Used for
使われているもの
Can do
適応する効果と用途
  • 1
    マスキング ※マスク効果
    ・原料の臭い(魚臭・獣臭等の嫌臭)の防止、酸化防止
    ・ 味(苦味・酸味等の嫌味)・刺激等の防止
    ・色素の付着防止(舌・手に付着)、退色防止
    ・吸湿による劣化防止
    《用途》 臭い防止:各種ペプチド、サメ軟骨エキス末、プラセンター等
    味防止:ビタミンC、クエン酸、ポリフェノール、サメ軟骨エキス末、イチョウ葉エキス末、香幸料、HMC、鉄化合物等
  • 2
    反応防止コート
    粉末同士の接触による反応防止 (混合禁忌材料)効果、原料の揮発防止
    《用途》
    褐変防止:ビタミンCと(アミノ酸類・グルコサミン・鉄化合物・ローヤルゼリー等)
    ガス発生防止:重曹とクエン酸、重曹とマグネシウム接触による反応防止効果
  • 3
    徐放コート
    原料成分を大気や液中にてゆっくり放出させる効果
    《用途》
    塩、砂糖、その他調味料、香料、抗菌剤、忌避剤、防錆剤、肥料等
  • 4
    劣化防止コート
    原料の酸化・吸湿による劣化、色素の退色、その他経時的劣化の防止効果
    《用途》
    ビタミンC、 エキス末、粉末色素等
  • 5
    揮発及び溶出制御コート
    ・原料の揮発、昇率の防止効果
    《用途》
    粉末香料、樟脳、ナフタレン等
    ・指定時間に至り原料溶出
    《方法》
    指定時間に至る⇒水溶性被膜が溶解⇒原料粒子が溶出
    指定時間に至る⇒非水溶性被膜が吸液⇒原料粒子が溶出
    ・指定温度に至り原料溶出
    《方法》指定温度に至る⇒溶融コート被膜の融点に達し、原料粒子を溶出
    ・PHの変化による原料溶出
    《方法》指定PHに至る⇒コート被膜が耐性をなくして溶解し、原料粒子を溶出
    ・衝撃による原料溶出の制御
    《方法》指定の衝撃が加わる⇒コート被膜が壊れて、原料粒子が溶出
    《用途》
    種子にタルクで被覆する。
    硅砂等の無機粒子を顔料等で被覆する。
  • 6
    その他コート
    ・流動性・分散性の改善
    《方法》硬化油等の加温溶融コート材を使用
    ・親水性・親油性の付与
    《方法》コート材に親水又は親油性の界面活性剤を使用
    ・甘味、香料・色素の添加
    《方法》コート材にこれらを添加して、粒子にコート
    ・オイル等のコーティング
    《方法》液状オイルをそのままコーティング
    ・微粉末による被覆コート
    《方法》原料粒子に水・エタノール・薄いバインダーをコート後、微粉末で被覆する
    《用途》
    樹脂粒子や金属粒子をカーボンブラックやフェライト等で被覆する。
    硅砂や顕粒等の無機物に粉末を被覆する。
    粒子をタルクで被覆する。